グローバルスタッフィングリサーチセンター(略称:GSRC)とは、フジスタッフホールディングス株式会社とランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区)が人材派遣を中心とした人材サービスの経済および社会における重要性や労働市場における貢献を調査・分析するために2008年8月に発足させた共同プロジェクトです。プロジェクトメンバーが、研究テーマごとに専門家の協力を得ながら、人材サービスに関する情報の収集・分析を行います。
人材サービスの経済および社会における重要性に関するグローバル動向分析を行い、調査結果を四半期に一度程度のペースで小冊子にまとめて発行しています。主に欧米諸国の労働市場の特徴や動向および先進的な人材サービス事例の検討を通じて、わが国における労働市場の柔軟性と雇用保障の両立や労働者派遣を含む労働市場の整備、法改正や非正規社員の雇用環境の見直しなど、日本が直面するさまざまな雇用問題の解決にむけた取り組みに関心をお持ちの方々に広くお役立ていただきたいと考えております。
2009年1月には第1回の活動報告として「労働力需給ギャップへの対応に向けてVol.1」を刊行。この冊子は、ランスタッド・ホールディング(本社:オランダ アムステルダム)がオランダのSEO研究所に調査依頼し、取りまとめたレポート「マインド・ザ・ギャップ」(2007年11月)を日本語に翻訳したもので、日本を含む世界20カ国以上の労働市場のデータを比較分析しています。Vol.1ではEU各国の労働参加と失業の状況を比較検討し、パートタイム労働、臨時労働、派遣労働の動向やトレンドを述べています。昨今わが国で注目される製造業派遣を含む労働者派遣の各国産業部門別分布や派遣業務に関する国別規制、労働者派遣の先進国オランダが導入した規制に関する革新的な制度「フレキシキュリティ法」なども紹介されています。
第2回の活動報告は2009年4月。「移民労働者」に焦点を当てた「労働力需給ギャップへの対応に向けてVol.2」を刊行しました。事実に基づいた議論より、感情的な議論になりがちなこのテーマ。このレポートでは、移民に関する数値データを検証しながら、事実に基づいた議論を試みています。欧州の労働市場において、高齢化や人口減少が、今後どのような影響を及ぼすのか?その1つの解決策としての「移民」はどのような役割を果たすことができるか?今後の課題は何か?これらの点について、歴史的および経済的な観点から議論が展開されています。
第3回の活動報告は2009年10月。EUの労働市場における人材派遣業界の役割ついてまとめた「より多くの人々に雇用機会を-人材派遣業界が労働市場の機能改善に貢献するために」を刊行しました。これは、国際人材派遣事業団体連合(Ciett)で欧州地域を統括するEurociettが、2007年に発行した調査レポートを日本語に翻訳したもので、EUにおいて人材派遣業界が果たしてきた経済成長や雇用創出への貢献などを客観的な視点から報告しています。また、業界が成せる一層の貢献を妨げる規制や根強い誤解を明確にし、それらの撤廃に向けた取り組みと規制当局への要請事項についてまとめています。今後、わが国における派遣制度や労働市場そのもののあり方について再考する際、参考資料としてご活用いただきたい冊子です。
※SEO研究所とは、1949年にアムステルダム大学経済学部の研修機関として設立され、1980年代に大学から独立した研究機関です。
※フレキシキュリティ法
(雇用の)柔軟性と安定性に関する法律。Flexibility(柔軟性)とSecurity(安定・保障)を掛け合わせた造語。『労働市場の柔軟性』と『雇用保障』を両立させる考え方で、1999年にオランダで制定された労働者派遣制度です。